皆さん、こんにちはオウシです。
今日は、生き甲斐に向かってその9を書きます。
前にも書きましたように、少し暖かなその日でしたが、やはり非常口から外に出
て見ますと、
冬の夜明け前、やはりかなり寒く、上着を着たのは正解だったと思える
ほどでした。
二人は、寄宿舎の南側の塀を乗り越えました。塀の外側は少し低くなっていて、
アッと思いましたが、どうかなってしまうほどのことはなく、二人の野外活動の
始まりは順調でした
塀を乗り越えて左手に向かうと学校の東側の裏通りに出ました。夜中で車も通ら
ず静かな裏道でした。ここで二人はどこに行くか決めていなかったので、ちょっ
と歩みを止めて、相談しました。
「急ぐことはなか。ここから県庁内を通って、電車通りに行こう」
電車通りには何が有るという訳ではないのですが、何か歩く意味が二人には必要
だったのです。
話がまとまったので、二人は動き始めました。
右手に裏通りを行くと、数百メートルで県庁の東門に出ました。門扉はなんなく
動き、二人は県庁内に入ることができました。何処か遠くで発電機か何かを動か
すエンジンの音がしているだけの、静かな未明の県庁内をゆっくりと、西門に向
かって歩いて行きました。西門を出ると進路を右に取り、電車通りに繋がる少し
広めの道に出ました。ここから右手に向かうと、学校と寄宿舎の北側の正門に行
けるのですが、二人は目的通り、左手に詰まり電車通りに向かいました。
地方都市にしては広い電車通りも、夜中というか、夜明け前はシーンとしていま
す。
ここまぜ、二人はおよそ15分野外活動をしたことになります。何をするという
はっきり決まった目的はないのですが、何となくまだ終わっていない、もう少し
何かが必要だった二人は、迷うこともなく、右手の町の中心部に向かって歩き出
していました。
生き甲斐に向かってその10に続く。
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